第124回の学習会は3月25日(土)に新宿区立牛込第一中学校で開催されました。平成28年度最後となる今回は14名の参加がありました。
今回は多摩市立多摩永山中学校の藤原美紗教諭より「技能をみがく 地形図の使い方①」の授業実践発表が行われました。「クリティカル・シンキングを活用した授業実践」を主題にした校内研修のもと、3月9・10・14日に第1学年で実践された内容でした。全2時間構成のうち、第1時間目の内容が報告されました。
(今回の記録:江戸川区立中学校教諭 K先生)
本時の目標は以下の通りでした。
①地形図の縮尺や方位、地図記号を読み取り、地域の様子を捉えることができる。(技能)
②地形図から地域の様子を読み取り、自分の言葉で表現することができる。(思考・判断・表現)
導入で3種類(地形図・主題図・ハザードマップ)の地図を見せ、地図の種類について学習し、方位の確認を行います。展開では、地域の様子が1番よくわかるのはどの地図か考えさせ、理由をワークシート①に記入させます。そして、地図記号について教科書も活用し学習させたあと、ワークシート②(高知県安芸駅周辺の地形図)と教科書の地図記号を活用しながら、地域の特色を読み取らせます。この際、「地域のことを知らない人にわかりやすく説明」できるよう指示をし、ポイントとして授業者より「①その地域を知らない人が簡単な地図をかけるような説明」「②全体像(東西南北)の説明」「③イメージしやすい発表」の3点が生徒に示されます。まとめで地図記号の確認と本時の振り返りを行います。以上が授業展開です。
授業実践にあたり、当初計画では3種類の地図の違いを読み取る学習の時間をとったが、研修テーマに合わせ、学習成果の発表に時間をとったとのことでした。自評として、地域の読み取りの際、ポイント①「その地域を知らない人が簡単な地図をかけるような説明」で動きがとまることを予測し、授業者の助言により全体像の読み取りが可能となる学習をめざしたとのことでした。実際、生徒は授業者からの「東西南北」を使って説明するとの助言から、大まかな位置情報の読み取りを行っていたとのことでした。
発表後の意見交換で、話し合い活動の意図や使用した地図を選んだ理由、「クリティカル・シンキング」の研究との兼ね合いなどについて質問がありました。また、今回は学習会参加者全員で実際にワークシート②の読み取りをしてみました。
授業で扱われた高知県安芸駅周辺の地形図は授業者の郷里とのことでした。海・山・市街地などさまざまな情報があり、分析のしがいのある地形図であると感じました。一方で、広さや縮尺の情報があると、より深い読み取りができるとの意見がありました。実際に自分たちでワークシート①・②の読み取りを行い、より生徒にとって取り組みやすい指示について考えることができました。また、春休みに入ったこともあり、評価の方法についても意見交換を行いました。
次回125回は、 4月23日(日)15時~ 牛込第一中にて
改訂学習指導要領を学ぶ①として、
国立教育政策研究所初等中等教育部長
大杉 昭英 先生 にご講演をいただきます。
演題「改訂学習指導要領のめざすもの(仮題)」
大杉先生のご講演を聴ける、またとないチャンスです。
ぜひお誘い合わせのうえ、ご参加下さい(事前申し込みは不要です)。
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