1月21日(土)14時から,新宿山ノ手七福神をめぐるミニ巡検に出かけてきました。
今回の目的は七福神に会うこと…はもちろんですが,地形にも大いに注目した巡検でした。
リンク先の地理院地図(別ウインドウ)をご覧ください。今回の巡検で歩いた範囲全体を示していますが,今回の巡検の舞台「新宿区」は,次のような地形的な特色があります。
(2)地形・地質 新宿区は、武蔵野台地の東端に位置し、南から北へ標高が低くなっていく階段状の地形をしています。この階段状の地形は、豊島台地、淀橋台地、下町低地に分けられます。淀橋台地は、四谷地域から新宿駅 周辺に至る標高 30 ~ 35 m以上の一番高い台地面になっており、豊島台地は標高 20 ~ 25 mくらいの台 地です。新宿区は、この二つの台地とそれらに挟まれて東中野から早稲田付近まで伸びる10 m程度の低地 面から主になっています。この低地面に沿って、神田川、妙正寺川及び外濠などの水辺が新宿区の外周を沿 うように取り巻いています。区内最高地点は都立戸山公園内箱根山の海抜 44.6 m、台地は平均ほぼ 30 m の高台で、低地で最も低いのは飯田橋付近の海抜 4.2 mとなっています。このように地形の高低差は、区部に起伏に富んだ斜面を形成し、斜面上に残った緑地は貴重な自然とし て現在も残されています。また、淀橋台地と豊島台地は、主に洪積層からなり、比較的古い時代に堆積したことから安定した地盤 であると言われています。中でも柏木から西新宿にかけての地域は、東京礫層と呼ばれる地耐力の大きい層 で、西新宿の超高層ビル群を支えているのはこの地盤です。また、新宿区で最初に整備された甲州街道は、 淀橋台地の尾根道となっています。
出典)平成21年3月「新宿区みどりの基本計画(改定)」P74
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000021207.pdf
巡検のスタートは,新宿御苑前駅から150mほど北東にある太宗寺(布袋和尚)です。
太宗寺から次の西向天神社(弁財天)へと北上すると,新宿6丁目付近で谷が出現しました。地形図だと,学校の地図記号(文)が二つ向かい合っているあたりです。(写真左(西)が天神小学校,右(東)が新宿中学校)
西向天神社にいくには,急な石段をのぼっていきます。下の写真のように台地の切れ目(崖線)上に建てられていることがわかります。
西向天神社から東に進むと,法善寺(寿老人)があります。こちらは台地上にあるので,お寺の中は平坦です。
法善寺から北東に50mほど進むと,Y字路の角に厳島神社,通称「抜弁天」がありました。南北に通り抜けられることが,困難を抜けるということに通ずることから,庶民の信仰を集めてきたそうです。また,江戸時代にはこの付近に,生類憐みの令により犬小屋が設けられていたそうです(その説明看板をみんなで真剣に見ています)。
抜弁天の北側を東西に走る職安通り(鬼王通り)を渡り西側に少し進むと,福禄寿をまつる永福寺に到着しました。
永福寺から鬼王通りを西へ,通りの由来である稲荷鬼王神社(恵比寿神)へ進む途中,消防署の手前のあたりまでの200mほどの道路が,立体的に(中央の2車線は高い盛り土の上にあり,側道と歩道は坂を下り低いところを通る)なっていました。歩いている時は意識しなかったのですが,先ほどの地形図を見てみると,ここは谷を横切っている場所です。私たちは谷底を,車は崖と崖を結ぶライン上を走っている場所ということになります。
東新宿駅を通り過ぎ,少し行ったところに稲荷鬼王神社があります。巡検当日には,各地のお雑煮紹介集が展示されており,社会科教員としては興味深いものでした。なお,この神社は江戸時代から,豆腐を備えると湿疹や腫れ物に効き目があるそうです。
前編はこのあたりでいったん終わりにして,後編に続きます。。。
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