第116回の学習会は、6月26日(日)に牛込第一中学校で開催されました。4月以来、地理的分野について、学習指導要領改訂の方向性や学習指導の基本的な考えについて学んできました。今回はそれらを踏まえて、実際の授業ではどのような工夫が必要かということについて、赤坂寅夫先生(元全国中学校社会科教育研究会長、東京学芸大学講師)からご指導を頂きました。
(はじめに:授業力の6要素)
講義は、「若い人のための勉強会」と聞いてきたのだが、若い人が少ないですね!という言葉から始まりました(若い先生方の積極的な参加を期待します!)。続いて次の項目を示されました。
① 使命感、熱意、感性 ② 統率力(指示、説明) ③ 児童・生徒理解力
④ 指導技術 ⑤ 教材解釈、開発 ⑥ 指導計画・評価計画
上段の3項目は教師の資質に関わること、下段の3項目は教師の専門性に関わることです。これらを磨くことによって良い授業ができることになります。
(演習)① 雨温図を作ろう
グラフや統計の読み取りは社会科に共通する基礎的基本的な技能です。それを習得させるためには実際にグラフ等を作ることにより、理屈が理解されます。そこで、今年オリンピック、パラリンピックが開かれるリオデジャネイロの雨温図に挑戦しました。
(演習)② 略地図を描こう
「世界の地域構成」と「日本の地域構成」の目標として学習指導要領は「大まかに世界(日本)地図を描けるようにすること」と示しています。世界地図では、赤道と経度0(本初子午線)の通る位置、日本地図では東経130度~145度、北緯30度~45度(各15度)に囲まれた四角の範囲にほぼ収まるように描くことがポイントとの指導を得ました。
(演習)③ 大観するということ
アフリカ大陸の全図の着色から大陸が台地であることを読み取り、理解させること。レナ川の中流、ヤクーツクの海抜が103m、河口まで約600㎞を押さえて平地の理解を促すことなどの指導を得ました。また、赤坂先生が実践された「ミシシッピ川が凍ると日本の牛が風を引く」、「水で作られたピラミッド」を引用して地理的な見方についての指導を得ました。
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