第115回 学習会の報告とお知らせ

  第115回の学習会は,5月21日(土)に牛込第一中学校で開催されました。当日は運動会でしたが,特段のご配慮で防音された音楽室の提供を頂きました。今回は,帝京大学教職大学院教授の澁澤文隆先生に「地理学習の基礎基本」というテーマでご講演をいただきました。概要は以下の通りです。


①地理学習の特性について

 社会科は現代社会を理解し,参画する態度を育成する教科です。歴史の学習は現代社会を見る時にその形成過程の理解に必要となり,地理の学習は,幾つかの事実認識の組み合わせや相互関係から関係性や関連を読み取るといった関係認識を育てることが中心となります。

 地理の学習では,地図が主な教材となります。地図は,常に変化している地球上のある地点を,ある時点で静止的に捉えた(静止状態)ものであるため,地図から何を読み取らせ,どのように表現させるかが地理学習のポイントとなります。読み取りに当たっては,「分布」に注目させることが指導の基本となり,資料を重ね合わせるなどして関係性を考察させ,その結果を図化させることも大切です。

(事例)①オーストラリアの土地利用図と牛・羊の分布図からの読み取り

・農地の使われ方 → 畑(小麦),牧草地・草地 

・牛と羊の分布

  →牛:砂漠の中でも飼育 →砂漠は灌漑されて牧草地,草地に?

   牛の飼育地は牧草地 =牛は下で草を絡めとる。丈の長い草が飼料となる。

  →羊の飼育地と畑が重複 =羊は丈の低い草や小麦の切り株も食べられる。

・大陸の中央部 →降水量はあるが、牛も羊もいない =アボリジナルランド(保護区)


②南アメリカの熱帯林伐採と開発

・熱帯雨林の乱伐 → 地球の肺の機能の低下?焼畑の影響?(本当か?) 

 ※成長中の樹木は光合成が盛ん、成長が止まるとあまりしない。

 ※焼畑=サバナ(ブラジリア~アマゾン川の範囲の地域)、強酸性地

  強酸性地→焼畑によるアルカリ化→世界の食糧基地に(JICAの協力)


③統計データ等を扱う際の留意点

・北九州工業地帯 →イメージは北九州市(鉄鋼業),しかし統計は福岡県の数値

 ※鉄鋼 →北九州市は全体の34.2%を占めるが,福岡県は10.1%に過ぎない

・香川県のレタス →冬の生産高は香川県が多いはずだが,地図には表示がない

 ※地図は「表作」を中心に表示,そのことも留意して読み取る

 なお,今回の学習会の場において峯岸会長より,顧問の高山昌之先生が本会の活動からご勇退されることについての発表がありました。高山先生のこれまでのご尽力に感謝申し上げるとともに,今後とも機会がありましたらぜひご指導を頂戴したいと思います。高山先生ありがとうございました。

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