第171 回学習会の報告


 第171 回社会科学習会は、令和4年6月11日(土)に 新宿区立牛込第一中学校で開かれました。 今回は講師に文部科学省、国立教育政策研究所の教科調査官 中嶋 則夫 先生をお迎えしました。中嶋先生は、昨年 4月に浜野 清 先生の後任として着任されました。コロナ禍で様々な研修会や研究会が中止されることが多いなかで、社会科学習会では昨年末の藤野 敦 先生に次いで、教科調査官の先生をお迎えすることができました。以下に講演要旨を紹介いたします。


1 社会科、地理歴史科、公民科の改訂のポイント~ 小学校、中学校、高等学校を繋ぐ社会科

・高等学校の科目編成を変え、小・中・高の全校種で社会科(地理、歴史、公民)を学ぶことになった。社会科で何を学ぶかがより明確になった。

・学ぶ際の内容の取り扱いについての配慮事項を、言語活動、ICT活用、技能、教材研究の4つの側面から整理し、中学校学習指導要領pp.63~64(同内容が解説中学校社会編pp.176~180にも掲載)に示した。


2 地理的な見方・考え方を働かせる授業づくり 

・生徒が学習や人生において「見方・考え方」を自在に働かせることができるようにすることにこそ、教師の専門性が発揮されることが求められる。

・地理的分野において養われる思考力・判断力とは、「地理的事象の意味や意義、特色や相互の関連を多面的・多角的に考察する力」「地理的な課題を把握し、解決に向けて学習したことを基に複数の立場や意見を踏まえて選択・判断できる力」を意味している。

位置や分布場所人間と自然環境との相互依存関係空間的相互依存作用地域などは地理に係る事象を捉える際や、地理的課題として考察する際の視点である。

⇒「主体的・対話的で深い学び」の実現を。


3 地理的分野の改訂の要点

・世界と日本の地域構成に関わる内容構成の見直し

 小学校の学習内容を振り返り、地理学習の楽しさや有用性を確認させ、中学校の学習の円滑な展開を図る。

 →地球儀や地図を積極的に活用し、おおまかに世界地図や日本地図を描けるようにする。

・地域調査に関わる内容構成の見直し

 地域調査の技能の習得を中心とする学習と、地理的な課題の解決を中心とする学習に分け、活動に適した時期に行うようにするなど、年間計画の中で弾力的に実施する。

・世界の諸地域学習における地球的課題の視点の挿入

 世界の各地に見られる地球的課題は、それらが見られる地域の地域的特色の影響を受けて、現れ方が異なることを理解させる。(各地の地域的特色を大観し理解させることとともに)

→地球的課題の要因や影響を、地域的特色と関連づけて考察することを通して、理解させていく。

・日本の諸地域学習における考察の仕方の柔軟化

・日本の様々な地域の学習における防災学習の重視

 →頻発する自然災害に対応した人々の暮らしの在り方を考えることは、我が国で生活するすべての人々にとって欠くことのできない「生きる力」である。


4 学習評価の充実

・単元の評価規準はできるだけ具体的に示す(単元で取り扱う具体的な内容を評価規準に入れ込む、考察する「問い」を入れる等)。

・「学習改善につなげる評価」と「評定に用いる評価」を区別し、指導のどこでこれらを行うかを計画に位置付ける。

・評価問題の改善(ブラッシュアップ)の取組が求められている。

「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料 中学校社会【事例1(p.46~)】を参照


○「主体的に学習に取り組む態度」の評価

社会的事象について主体的に調べ分かろうとして学習上の課題を意欲的に解決しようとする態度や、よりよい社会の実現に向けて,多面的・多角的に考察,構想(選択・判断)したことを社会生活に生かそうとする態度などを意味している(中学校社会科解説pp.27)

・学習の自己調整に関する態度は、必ずしもその学習の調整が「適切に行われているか」を判断するものではない。意志的な側面(~しようとしているか)を評価する

「知識・技能」や「思考・判断・表現」の観点の状況を踏まえた上で、評価を行う必要がある。

 →児童生徒の学習評価の在り方について(報告)pp.10~15を参照

 


社会科学習会ホームページ

社会科学習会は、若手教員を中心に、中学校社会科の指導法や教材開発等について学びを深めたい人たちが集う会です。会長の峯岸誠先生(元 玉川大学教授、元全中社研会長)、岩谷俊行先生(元全中社研会長)のもと、東京都内で基本的に月一回定例会を開き、年に一回は巡検を行っています。学習会への参加は随時受け付けています。社会科の力を付けたい先生方、一緒に勉強しましょう!

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